こんにちは、星葩(せいは)です。
作品を書いて「よし上手くいったぞこれにしよう!」、では次のアクションはというと?
そうです、落款(らっかん)です。
今回は落款についてのお話をしていきたいと思います。
普段の自稽古で毎回毎回名前は書かないかと思うのですが、上手く書けた時や出品する際は落款を入れます。
- そもそも落款とはなんなのか?
- 落款を入れる際はどこに注意したらいいのか?
効果的かつ重要な落款のポイントをお話していきますね。
【書道の落款】書体と位置から重要ポイントを解説(目次)

- 落款とは?
- 落款を書くための筆
- 落款の書体
- 落款の位置
- まとめ
落款(らっかん)の書体と位置について解説します。
落款の入れ方の注意点とポイントを理解することを目的に、学習していきましょう!
落款とは

落款(らっかん)とは、自分の書いた作品に筆者が自分の名前を書いたり印を押すことを指します。
- 筆で名前を書くのみ
- 名前を書かずに印だけ押す
- 筆で名前を書いたうえに印も押す
これら3つは全て落款と呼びます。
また、落款は作品の完成と筆者を証明する重要な役割も果たしています。
落款を書くための筆

作品がメインではなく落款によって作品が完成します、落款は作品を書いた筆と同じ筆で書きましょう。
大筆で作品を書いてから落款を入れる時、小筆に変えていませんか?
これは小さい頃「小筆は名前を書く筆」と習ったそのままきていることが多く、落款の際に小筆に変える方がほとんどです。
しかし、落款も作品と同じ筆を使うことで作品に統一感が出ます。
大筆で作品を書いてから、小筆に変えていると書を書く流れが止まります。
そして、作品と落款のテンションが違いすぎて落款だけが悪目立ちするケースがとても多いのです。
「あれ、別人が書いたのかな?」っていうほどに…。
たまに、「作品はとても良い雰囲気で書けているのに落款があれれ?」という作品があります。
その理由は、作品の雰囲気が途切れて、作品と落款が異質なものになってしまっているからです。
作品と落款の調和がとれていないということになります。
落款も含めた一つの作品であり、落款によって作品は締まります。
作品がメインではなくて、落款によって完成する、ということが重要なポイントです!
落款の書体

落款の書体は基本的に自由で、作品に合わせる必要はありません。
しかし、星葩(せいは)独自の視点ではありますが、書と落款の組み合わせにもそれぞれの特徴があります。
書体 組合せ表 (星葩の参考値) | 書の書体 | |||
---|---|---|---|---|
楷書 | 行書 | 草書 | ||
落款の書体 | 楷書 | 良い | 普通 | 普通 |
行書 | 良い | とても良い | 良い | |
草書 | 普通 | 良い | 良い |
楷書の作品に楷書で落款を入れて一層整然とした雰囲気に仕上げるのも良いし、行書でこ慣れた感じにすることも良いですね!
また、草書の作品に草書で落款を入れるのも良いでしょう
ただ草書の作品に楷書で落款を入れると少し浮きます、このように各々の価値観に沿ってそれぞれの特徴があります。
落款を入れて作品の雰囲気に違和感があると感じたら、落款による「作品の魅力を引き出す効果」が充分ではないということです。
名前を入れて作品が一層引き立てば成功といえます。
特徴をまとめてみると、落款の書体は行書がオールマイティですね
落款の位置

落款の基本的な位置
半紙に2文字など充分に落款の場所が確保されている場合は、左側に余裕を持って書いていきます。
この余裕を持って、ということが大事なんです。
筆を変えて書く時は特に、気持ちが途切れているためついつい紙ギリギリに書いてしまうことも多く、せっかくの作品が窮屈で圧迫感のある印象を与えてしまいます。
落款の位置は余裕を持って、余白をしっかり取って書くと美しく仕上がります。
落款のダメな位置
落款の位置に余白を取らず、紙ギリギリに書いてしまうと、窮屈で圧迫感のある仕上がりになってしまいます。
5文字の作品に落款を入れる場合
書の文字数が5文字の場合は、空いているスペースの真ん中くらいに書くのが一般的でしょう。
6文字の作品に落款を入れる場合
6文字の作品に落款を入れる場合、場所は基本左側になります。
画数が多い字が続きしっかりと場所が確保できない場合は、落款印だけを押すこともあります。
左側の隙間を見つけて書く事と、位置は大体紙の真ん中辺りか、真ん中より少し下に書くことが多いです。
落款の注意点は作品の一番下の字よりも下がらないことです。
全ての作品に言える事ですが、作品の字よりも下に書いてしまうと作品全体が下がって見えてしまいますので注意して下さい。
まとめ
ここまでごお読みいただきありがとうございました。
落款にはかっちりと決まった厳密なルールはありませんが、「落款を入れて作品が完成する」ということが一番大切なことです。
落款は作品の一部です。
そのため落款の存在がやけに目立ってしまったり品格を損なうものであると全体に影響が出てしまうのですね。
今回お話した書道の落款、書体と位置の注意点とポイントを頭に入れて、落款を書くことにより一層作品の魅力を引き出してくださいね!
書道の落款、書体と位置から重要ポイントにつきましては、星葩書道教室(YouTube)でも詳しく動画で解説しております。
ご興味ある方は、是非お立ち寄りください。