こんにちは、星葩(せいは)です。
今日は、淡墨の作り方の注意点とポイントを解説していきます。
普段淡墨を使うことはあまりないかもしれませんが、淡墨を使うことで書の雰囲気もガラッと変わりとても面白い表現ができ、書道の作品作りにも最適です。
こちらの淡墨の作り方解説にてしっかりマスターしていってくださいね♪
【書道教室で学ぶ】淡墨(たんぼく)の作り方(目次)

- 淡墨(たんぼく)とは?
- 淡墨の作り方
- 濃墨(のうぼく)を磨る
- 容器を移しかえる
- 水で薄める
- 調整する
- 淡墨の作品
- まとめ
淡墨の作り方をしっかりと習得していきましょう!
淡墨とは

淡墨(たんぼく)とは、墨を水で薄め淡い色合いにした墨を指します。
| 項目 | 淡墨(たんぼく) | 濃墨(のうぼく) |
|---|---|---|
| 定義 | 濃墨を水で薄めて調整して作ったもの | 濃く磨られた墨そのもの |
| 作り方 | 濃く磨った墨を少しずつ水で薄めて調整する | 墨を濃く磨る |
| 特徴 | にじみが出やすく、趣のある表現が可能 | 滲まず、くっきりとした表現が可能 |
| 使用効果 | にじみによって奥行きや柔らかな雰囲気を表現できる | 力強く、はっきりとした線が出せる |
| 適した紙 | にじみが美しく出る画仙紙(書道用紙の一種)が効果的 | 幅広い種類の紙に適応するが、墨の濃淡を活かすには画仙紙も良い |
淡墨の反対は濃墨(のうぼく)で、濃く磨られた墨を指します。
淡墨は、墨を薄く磨ったもののことではなく、濃墨を少しずつ水で薄めて調整してつくりますので、「たくさんの水をベースに少し磨ればいいのでは?」というのは間違いです。
淡墨は、書く部屋の温度や湿度にも影響され、その日の自分のコンディションでも変わってきます。
そのため、色々な日の色々な時間帯に書くとそれぞれ異なった表情を見ることができます。
今日は上手くにじまないなぁ、なんて時は日や時刻を変えてトライしてみてください。
淡墨作品に効果的な画仙紙(がせんし)については、こちらを参考にしてください。

淡墨の作り方

淡墨の作り方を大きく4ステップで解説します。
先ずは淡墨の作り方のはじめとして、淡墨の対義語「濃墨(のうぼく)」を磨っていきましょう。
濃墨を磨る
淡墨を作るために、まずは濃墨を作ります。
濃墨を作るポイントは、少量の水から作ることです!
ここで普段通り海いっぱいの水から作り始めてしまうと、ものすごい時間と労力がかかりますので注意してください。
硯に少量の水(三~四滴を目安にする)をおとし、磨っていきます。
水が少量なので、硯に傷をつけないように気をつけて、墨に粘度が出るまで磨っていきます。
墨がネバネバ、トロトロになってきたら濃墨の完成です。
容器を移しかえる
淡墨の作り方「容器を移しかえる」際は、濃墨の一部分を硯から別の容器へと移しかえます。
先程つくった濃墨は必ずしも全部を使うわけではありません。
また、容器を変えず硯のままでも可能ですがそのまま薄めていくと思うよりもかなり多くの水を使うため、硯からあふれてしまいます。
硯から墨があふれてしまわないように、別の大きめの容器へと移すのです。
様子を見ながら濃墨や水の量を加減することが必要です。
水で薄める
筆に濃墨を含ませて別の容器に移しかえたら、今度はいよいよ水で薄めていきますよ。
淡墨の作り方「水で薄める」際のポイントは、水の量は少しずつということです。
少しずつ水を足して、その都度紙に試し書きをして濃さをみていきます。
紙は画仙紙を使うとにじみがわかりやすくておすすめです。
調整する
淡墨の作り方「調整する」際は、求める濃さになるまで、水と濃墨の量を調整します。
淡墨を調整していると意外と思ったように薄くならないのでは、と思います。
「淡い墨色を作るにはたくさんの水をつかうのだな」って感じる事でしょう。
水と墨の量をみながら、求める濃さになったら完成です!
淡墨の作品

淡墨で書いた作品は時間が経つと、線の輪郭がまた変わってきて書の趣を楽しむことができます。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
淡墨は墨の色合いや線の立体感がとても美しく、そして豊かに感じられる墨です。
普段使う墨とは異なった、この独特の表現を楽しんでくださいね。
【書道教室で学ぶ】淡墨(たんぼく)の作り方は、星葩書道教室(YouTube)でも詳しく動画で解説しております。
ご興味ある方は、是非お立ち寄りください。
