こんにちは、星葩(せいは)です。
普段、私たちが多く目にしている書体は「楷書(かいしょ)」と「行書(ぎょうしょ)」でしょう。
書体、とは、字の書き方の種類のことですね。
では、この楷書と行書は何が違っているのか?
今回は楷書と行書の違い、そして行書の歴史と特徴について詳しくお話していきますよ。
なお、書体について詳しくはこちらの解説を参考になさってくださいね。

楷書と行書の違い(お品書き)

- 楷書と行書の違い
- 行書の成り立ち
- 行書の成り立ち
- 行書の5つの特徴
- 行書とはどのような書体?
行書を理解することを目的に、よく見る書体「楷書」と比較しながら見ていきましょう。
楷書と行書の違い

楷書と行書の違いを比較してみましょう。
楷書(かいしょ)
まずは楷書と行書の違いを比較画像から確認します。
楷書は点画がはっきりしていて、字形をくずしたりしない、読みやすい書体であることがわかります。
行書(ぎょうしょ)
次に行書(二つのパターン)を確認しましょう。
行書はしっかりしたルールが決まっていないので、大体の形はあるけれど自由度が大きいですよね!
行書と楷書の違いは比較画像のように、行書は色々なパターンで書くことができます。
線のゆるやかさや張り詰めた感じ、また線の動きがわかりやすいので、楷書にくらべると書き手の心情や意図するものが表れやすいのですね。
それでは、行書の成り立ちについてもっと詳しく学んでいきましょう!
行書の成り立ち

書体は、時代とともに様々なかたちへと変化してきました。
書体は、古いものから順に以下のようになります。
- 篆書(てんしょ)
- 隷書(れいしょ)
- 草書(そうしょ)
- 行書(ぎょうしょ)
- 楷書(かいしょ)
草書、行書、楷書は大体同じ時期に成立していますが、行書はこの5つの書体のうち4番目に誕生したとされています。
草書、行書、楷書、3書体グループの誕生ひとつ前の書体「隷書(れいしょ)」は、現在新聞の題字や看板などに使われています。
しかしこの隷書(れいしょ)は威厳があり書くスピードにとても時間がかかります。
そのため、隷書(れいしょ)を速書きするため生まれたのが行書といわれています。
行書の特徴

行書には大きく分けて5つの特徴があります。
- 点画や字形が曲線的
- 点画の連続
- 点画の変化
- 点画の省略
- 筆順の変化
行書の5つの特徴

行書の特徴1~5を解説します。
特徴1.点画や字形が曲線的
「日」という漢字を楷書と行書で比較します。
転折が角張らず、柔らかみが出ます。
楷書のカチッとした感じよりマイルドなことが特徴です。
特徴2.点画の連続
「三」という漢字を楷書と行書で比較します。
行書ではに点画が連続して書かれることがあります。
行書が「続け書き」といわれるのはこのためですね。
特徴3.点画の変化
「花」という漢字を楷書と行書で比較します。
筆で書く「はらい」が「とめ」になったりと、行書では点画の変化がみられます
特徴4.点画の省略
「雨」という漢字を楷書と行書で比較します。
行書では何画かを省略して書くことがあります。
特徴5.筆順の変化
「若」という漢字を楷書と行書で比較します。
行書では書く字により筆順が変わる場合もあります。
行書とはどのような書体?
行書の5つの特徴から、このような書体といえることができます。
- 行書は速く書くことができる
- 楷書にくらべ、字形がややくずれている
- くずれてはいても、大体何が書いてあるか読むことが
- くずすことで速くかけて読みやすい、汎用性の高い書体
草書、行書、楷書は隷書(れいしょ)から派生しましたが、行書は楷書のように正書(正式な書体)ではありませんでした。
そのため、楷書のように厳格なルールが存在しないのですね。
楷書だと点画の連続や省略はもちろん、とめはねはらいなどの変化で間違った字とされます。
しかし行書は5つの特徴にあるように、書き手によっていろんなバリエーションがみられます。
楷書に近いものから、草書に近いものまで書き方次第で様々な表現ができるんですね。
速く書けて読みやすく、書き手の個性を表現できることが行書の大きな魅力です。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
馴染み深い楷書とはまた少し変わった行書、魅力たっぷりですね!
今回学んだように、行書は書き方次第で個性を表現しやすい書体ですよね。
芸術的で多様な行書は、作品づくりにも重宝しますよ。
また一緒に学んでいきましょう!
楷書と行書の違いについては、星葩書道教室(YouTube)でも詳しく動画で解説しております。
ご興味ある方は、是非お立ち寄りください。