こんにちは、星葩(せいは)です。
書道に欠かせない基本の学習方法に「臨書(りんしょ)」があります。
この臨書は、書道における表現と鑑賞において重要な役割を果たします。
そんな大切な基本の学習方法、臨書について今回は詳しくお話していこうと思います。
臨書とは?基本と種類を完全解説(目次)

- 臨書(りんしょ)とは?
 - 臨書の種類?
 - 形臨(けいりん)
 - 意臨(いりん)
 - 背臨(はいりん)
 - 倣書(ほうしょ)
 - まとめ
 
臨書(りんしょ)の意味と種類を理解することを目的に学んでいきましょう!
臨書とは?

臨書(りんしょ)とは、古典をお手本として書道を学ぶ学習方法のことです。
- 古典とは?
 - 
先人が残した過去の優れた筆跡のことを指します。
 
臨書することで、書の美しさ、構成、字形、線質、また運筆や筆者の心情までもくみ取ることに集中します。
臨書をすることによりその作品の点画の書き方、書きぶりを自分なりに考え分析して手本の書風(字の書きぶりのこと)を自分のものとして取り込むのです。
その書が書かれた背景や、筆者の人となりまでをとらえることが必要になってくるため、鑑賞の能力を伸ばすことにも有効な手段です。
臨書をすることによって養った技法、感性、そして鑑賞する力は、自分自身の個性を生かした創作活動の幅を広げ、大きな土台となります。
臨書の種類

臨書には種類があります。
4つご紹介いたしますので、それぞれの臨書を一つずつみていきましょう。
形臨(けいりん)
| 種類 | 目的 | 歌で分かりやすく例えると? | 
|---|---|---|
| 形臨(けいりん) | 技術面の習得 | 好きな歌手の歌い方や声の強弱などを忠実に真似して歌う | 
形臨(けいりん)は、臨書の中でも一番スタンダードな基本の臨書です。
形臨(けいりん)は古典の字形や筆法を忠実に真似て書く方法です。
お手本の字を真似して書きましょう、と練習した小さい頃の書写はこれに当たりますね。
主に技術面の習得が目的となります。
意臨(いりん)
| 種類 | 目的 | 歌で分かりやすく例えると? | 
|---|---|---|
| 意臨(いりん) | 筆者の意図や気持ちをくみとる | 好きな歌手の歌い方の雰囲気を真似して歌う | 
意臨(いりん)は、この古典は「どのような表現で書いたのか?」、古典の雰囲気や筆者の精神を、自分が受け取った印象で書きます。
字形の再現を目的とする形臨に対して、意臨は書の持つ意味を考えます。
筆者の筆意をくみ取り表現力を高める目的があります。
背臨(はいりん)
| 種類 | 目的 | 歌で分かりやすく例えると? | 
|---|---|---|
| 背臨(はいりん) | 手本の書風を自分のものにする | 好きな歌手の歌をたくさん練習した上で、歌詞を見たり歌声を聴かずに歌う | 
背臨(はいりん)とは、お手本である古典をしっかり学んだ上で、書く際にそれを見ずに書く臨書です。
その作品を、記憶できるくらいたくさん練習したところで手本を見ずに書きます。
- 形臨で字形を覚え
 - 意臨で筆者の意図や気持ちをくみとり
 - 最終的に、背臨をすることでその書風を自分のものにしていく
 
大切な臨書の流れとなっていくわけです。
倣書(ほうしょ)
| 種類 | 目的 | 歌で分かりやすく例えると? | 
|---|---|---|
| 倣書(ほうしょ) | 書風や技法を応用する | 好きな歌手の歌い方や雰囲気を完全にコピーして、全く別の歌を歌うこと | 
倣書(ほうしょ)とは、臨書で学んだ古典の技法や特徴を生かして、別の言葉を書くことです。
臨書をしっかりしていくと、最後は他のものに応用できるようになるのですね。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
書道学習の基本の方法、臨書についていかがでしたか?
臨書というと小難しい言葉に聞こえますが、臨書の種類をわかりやすく歌で例えてみました。
各臨書のまとめです。
| 形臨(けいりん) | 好きな歌手の歌い方や声の強弱などを忠実に真似して歌う。 | 
|---|---|
| 意臨(いりん) | 好きな歌手の歌い方の雰囲気を真似して歌う。 | 
| 背臨(はいりん) | 好きな歌手の歌をたくさん練習した上で、歌詞を見たり歌声を聴かずに歌う。 | 
| 倣書(ほうしょ) | 好きな歌手の歌い方や雰囲気を完全にコピーして、全く別の歌を歌うこと。 | 
是非臨書の学習において、これら臨書の種類をご参考にしてみてくださいね。
臨書は、ただ単にお手本の字を写すだけでなく、優れた古典の筆者の技法や気持ちを理解し練習を重ねることで、自身の書に活かし応用していくことができます。
初めて臨書に挑戦するならば、楷書の古典代表作である「九成宮醴泉銘」(きゅうせいきゅうれいせんめい)がおすすめです。
初めて臨書に挑戦する方へのおすすめ
筆者
筆者は、欧陽詢(おうようじゅん)
古典
九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)
書かれている書体
楷書(かいしょ)
是非、書道学習における基本「臨書」に挑戦してみてください!
臨書とは?基本と種類を完全解説については、星葩書道教室(YouTube)でも詳しく動画で解説しております。
ご興味ある方は、是非お立ち寄りください。
